1710人が本棚に入れています
本棚に追加
―――昨日、寿先輩に弥姉が告白されたことを知って………。
周りにつられて思わず、
『……ん、そ…だね。よかったね!弥姉。』
………って、思っていなかったことを言ってしまった。
でも否定するって、どこかで思っていたんだ。
“付き合わない”って………。
けど弥姉は………。
『…んっ。あり…がとう……。』
って、付き合うことを認めたんだ。
別に否定してくれることを期待していたわけではないし、弥姉がそれで幸せならいいって…思っていたんだ。
昨日の朝に、もう俺のこと好きじゃないんだなぁってわかってたしさ。
うん、わかっていたけど……。
幸せならいいって思っていたけど……。
――――俺のこと好きだって。
ずっと好きだったって、
言ってたくせに……。
あんなことしたくせに………。
なのに否定しないで、寿先輩と付き合うとか…。
表にはださなかったけどすごいイライラしたし、ムカついた。
「…………そう考えると、やっぱり期待してたのかなぁ。…でもなんで期待なんかするんだろうか……。」
――――自分の気持ちがわからない。
「ん?なんだ?なにか言ったか、陸斗?」
ボソッと陸斗が呟いた言葉を聞き逃した尚宏は聞く。
「えっ?あっ……なんでもない。」
「ふーん……。まさか、ヤキモチやいてた?」
「…………っ!はぁ!?」
突然の尚宏の言葉に陸斗は驚く。
最初のコメントを投稿しよう!