・今、素直に

7/22
前へ
/734ページ
次へ
―――昨日、寿先輩に弥姉が告白されたことを知って………。 周りにつられて思わず、 『……ん、そ…だね。よかったね!弥姉。』 ………って、思っていなかったことを言ってしまった。 でも否定するって、どこかで思っていたんだ。 “付き合わない”って………。 けど弥姉は………。 『…んっ。あり…がとう……。』 って、付き合うことを認めたんだ。 別に否定してくれることを期待していたわけではないし、弥姉がそれで幸せならいいって…思っていたんだ。 昨日の朝に、もう俺のこと好きじゃないんだなぁってわかってたしさ。 うん、わかっていたけど……。 幸せならいいって思っていたけど……。 ――――俺のこと好きだって。 ずっと好きだったって、 言ってたくせに……。 あんなことしたくせに………。 なのに否定しないで、寿先輩と付き合うとか…。 表にはださなかったけどすごいイライラしたし、ムカついた。 「…………そう考えると、やっぱり期待してたのかなぁ。…でもなんで期待なんかするんだろうか……。」 ――――自分の気持ちがわからない。 「ん?なんだ?なにか言ったか、陸斗?」 ボソッと陸斗が呟いた言葉を聞き逃した尚宏は聞く。 「えっ?あっ……なんでもない。」 「ふーん……。まさか、ヤキモチやいてた?」 「…………っ!はぁ!?」 突然の尚宏の言葉に陸斗は驚く。
/734ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1710人が本棚に入れています
本棚に追加