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ポーラーベアなんて初めての“お客さま”であり、俺は今朝までバウと踊っていたのだから。 大地を揺るがす咆哮と共に繰り出された丸太のような腕を躱し、剣を何度も何度も白い毛皮に叩きつける。 盾で受け止めるにも、膂力が違い過ぎる。 倒されないようにするだけで精一杯だ。 身に纏うフィールドジャケットも、所々無惨に切り裂かれている……やれやれ、黒はなかなか無いんだがなぁ。 唯一の救いは、盾はまだもちそうであると言った所か。 「ヘッ、中身がもたないけどな……」 『え、何?』 「何でもねぇ……よっと!」 爪を躱して振り下ろした剣が奴の肩口に直撃した。 グォガァァァァァ!! 決まったと思われる一撃。 先程よりは派手に血が吹き出ているものの、あまり効いていないようだ。 それどころか、怒りを増長させただけらしい。 『えっ……』 ウァテスが驚く声が胸元から聞こえる。 そりゃそうだ、俺も驚いているのだから。 「……これまた可愛げの無い」 また額から汗が流れた。
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