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「篠原様…。」
「はい!?」
歩いていると、野々宮さんが急に話かけてきたので私は驚き、声が裏返った。
彼女は立ち止まり、後ろに振り返った。彼女と私が向き合う様な形になった。
肩まで伸び、前髪と同じように切り揃えられた黒髪。黒のスーツ姿で背は高く、スタイルが良い。黒縁眼鏡がよく似合っている。
[秘書]正にこの言葉がぴったりだ。
「後は貴女様があの扉を開け、中にお入り下さい。私はここまででございます。」
「えっ…」
そう言うと彼女はお辞儀をし、元来た道を戻って行く。すれ違い様に、私の手に何かを手渡して。
手を見ると、飴玉が2つあった。
急いで振り返るが、静かな廊下が続いているだけだった…。
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