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光星丸の情報に対しての疑惑の念が孝雄を襲う。
『瀕死の重傷を負いながら最後までオレを騙すとは思えない…』
孝雄はそう呟くと、疑惑の念を振り払うためにさらに集中して辺りを見渡した。
センターボックスの田宮の亡き妻の写真と江藤の写真を見つめ、
『美沙子さん…江藤さん…オレに力を貸してくれ…翔さんを助け出させてくれ…頼む…』
と呟くと、ハンドルを切って奥へと進んでいった。
何の手がかりもないまま、更に時間だけが無情に過ぎていく…
【やっぱりガセネタだったのか…】
そう思い、諦めかけたその瞬間、前方の倉庫に自分のトラックがあるのに気付いた。
『間違いない!あれはオレのトラックだ。翔さん、輝さん、待ってろよ!』
孝雄は自分のトラックがある倉庫へと急いで向かった。
孝雄は倉庫の前でトラックを停め、エンジンを切ると用心しながら倉庫の中へと入っていった。
【どんな罠があるか判ったもんじゃない。用心には用心を…】
孝雄は心の中でそう呟きながら、倉庫の奥へと突き進んでいった。
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