第2章『開戦』

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田宮は男の通るだろうルートを予想した。 『岐阜までのルートなら西回りか東回りぐらいしかないな。高速で岐阜に向かうとなると相当走らなきゃならん。とりあえずは高速にのれる所まで走らなきゃな。』 そう呟くと、男のペースに合わせて歩を進めた。 他から見れば、仲間同士仲良くツルんで走ってる様にも捉えられるぐらいに男と田宮の車間と速度は同じだった。 『さぁ~、ここが分岐点やな。右へ行けば西回り、左へ行けば東回り。』 田宮は男の出方を鋭い眼で見ていた。 そう、猛獣が狩りをする時のような眼で…… 男が右の道を選択したのを見て 『西回りを選択か。なら付き合ってやるか。ヤツの勝負の駆け引きも見たいしな。』 と呟き、自分も西回りのルートを選択した。 ミラーで田宮の動きを確認した男は 『フッ、やはり同じルートをとりやがったか。噂通りだな。一人前のトラッカーになったかどうかを見て貰うなら、龍翔丸の田宮翔太しか居ない。』 と呟き、キャビン中央にあるラックに飾ってある写真を見た。
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