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孝雄は出血が酷い光星丸の太股をタオルで縛り、止血したところで光星丸を潰れた運転席から引きずり出した。
骨が折れているのか、膝から下がダラリとしていたが切断されてないのを確認すると孝雄は【ホッ】と溜め息をついた。
そして呻き声をあげている光星丸に
『光星丸…これで少しは懲りたかよ?いくらお前のボスの命令だとしても、他のドライバーを事故らせたり陥れたりしちゃダメなんだ。今回は運が良かったが次は知らねぇ。肝に命じとくんだな。』
と言うと、トラックに乗り込もうとした。
すると光星丸は
『…た…孝雄……た…田宮逹は…○○港の倉庫に……い…居る筈だ……グッ……これで…少しは……役にたて…た…』
と、苦しそうに言うと気を失った。
孝雄は
『バカ野郎…少しどころか大助かりだよ。』
と、気を失ってる光星丸に優しく言うと、トラックに乗り込み、光星丸が言った倉庫へと走り出した。
孝雄はドクターからの電話が気になっていたが、ドクターが言った【田宮は死んだ】の言葉を孝雄は信じてはいなかった。
【翔さん…輝さん…待ってろよ…】
心の中で叫びながら、孝雄は走り続けた。
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