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光星丸を残し、光星丸が教えてくれた倉庫に向け走り出した孝雄は、ひたすら高速を走り続けた。
封鎖が解除になったのか、徐々に高速を走る車両が増え、それぞれが目的地に向けてハンドルを握っていた。
『くっ…○○港の倉庫か…。ここからだいぶあるなぁ…。でもそんな事を言ってる場合じゃねぇな…。』
孝雄は呟きながらハンドルを握り続けた。
走り出して既に6時間が経とうとしていた。
その間に色んなアクシデントがあったため、孝雄の疲労もピークに達しようとしていた。
【集中力が続かない…こんなんじゃ、とてもじゃないが走り続ける事は不可能だ…少し休もう…】
孝雄はサービスエリアの給油所に滑り込むと、トラックから降り、給油所の水道で顔を洗った。
そして【パンパン】と2回、顔を叩くと、【ヨシッ】と呟きトラックに乗り込んだ。
店員から伝票を貰うと、静かに給油所を滑り出した。
『あと少しで全てが終わる…あと少し…』
孝雄は呟きながら本線に合流し、徐々にスピードを上げていった。
少しではあるが休憩できた事で、孝雄の気分も少し落ち着いていた。
孝雄は【フゥ~】と息をつくと同時に、
『孝雄ちゃん、聞こえていたら現在地を教えてくれ。』
と、無線から聞き覚えのある声が響いた。
風来坊2である。
孝雄の事が気になって無線を入れてきたのだ。
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