第1章『田宮と愉快な仲間達』

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田宮達が賑やかに食事をしていると、1人の男が店に入ってきた。 その男は田宮を見つけると近寄って話し掛けた。 『アンタがあの田宮翔太かい?結構な人気者じゃねぇか。』 と、喧嘩腰に言った。 一緒に食事をしている江藤や他の運転手、そして何よりオフクロに迷惑を掛けたくなかった田宮は、この場での争い事はどうしても避けたかった。 すると、今度は 『おっ!人気者は案外チキン野郎だったんだな。』 と、田宮を挑発してきた。 その時、運転手の1人が、 『オウ!そこの兄ちゃん。随分と喧嘩売ってんじゃねぇか。ここは盛り場じゃねぇんだ。喧嘩してぇ~なら他に行きな。』 と男に言った。 すると、男は【フッ】と笑って、 『アンタには話してねぇんだよオッサン。そこのヒーロー気取りでスカした野郎に言ってんだ。ザコは引っ込んでろ。』 と言うと同時に殴り飛ばしてしまった。 『このガッキャ~、黙ってりゃ~イイ気になりやがって。』 と他の運転手まで乱闘に参加してしまった。 田宮は乱闘を止めると男に言った。 『ここは皆が航海の疲れをとりにくる唯一の場所なんだ。それを知っていながら乱闘騒ぎを起こしたのか?』 すると男は、 『ああ知ってたさ。でもこの位しなきゃアンタはシカトすんだろ?』 と言った。 すると、田宮は静かに男に言った。 『知っていながらやったのならオレは許せねぇな。表に出ろ。』 そう言うと江藤とオフクロに近付いて、 『江藤さん、オフクロ、チョット野暮用が出来たから行くわ。これ、みんなの分ね。』 と言い、1万円札を2枚置くと、足早に店を後にした。
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