第2章『開戦』

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積み込みを開始して1時間、田宮は積み込みを終えようとしていた。 『さつま芋を12トン、岐阜の市場に持って行けか…』 田宮は呟きながらルートを考えていた。 高速を使えば距離数を走るし燃料を多く使う。しかし、下道で行けば近道はできるがリスクは計り知れない。 『男は度胸!』 田宮はそう言うとトラックのエンジンに火を入れた。 すると、男のトラックが前で止まった。 さっきまでのヘラヘラした感じはなくなって、真剣な表情で田宮の方を見ていた。 『真剣勝負ってことか。良いぜ。アンタがその気なら手加減はしない。』 田宮はそう呟くと、無線で話すジェスチャーをして、男に【725】とサインを送った。 そして無線機のマイクを取り上げ 『こちら龍翔丸。聞こえるかい?』 と言い、男からの応答を待った。 『聞こえるぜ。この勝負、負ける訳にはいかないもんで真剣にやらせてもらうぜ。』 男はそう言うとトラックを走らせた。 『よ~し、岐阜までの勝負、スタートだ!』 そう言うと田宮もトラックを走らせた。
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