366人が本棚に入れています
本棚に追加
積み込みを開始して1時間、田宮は積み込みを終えようとしていた。
『さつま芋を12トン、岐阜の市場に持って行けか…』
田宮は呟きながらルートを考えていた。
高速を使えば距離数を走るし燃料を多く使う。しかし、下道で行けば近道はできるがリスクは計り知れない。
『男は度胸!』
田宮はそう言うとトラックのエンジンに火を入れた。
すると、男のトラックが前で止まった。
さっきまでのヘラヘラした感じはなくなって、真剣な表情で田宮の方を見ていた。
『真剣勝負ってことか。良いぜ。アンタがその気なら手加減はしない。』
田宮はそう呟くと、無線で話すジェスチャーをして、男に【725】とサインを送った。
そして無線機のマイクを取り上げ
『こちら龍翔丸。聞こえるかい?』
と言い、男からの応答を待った。
『聞こえるぜ。この勝負、負ける訳にはいかないもんで真剣にやらせてもらうぜ。』
男はそう言うとトラックを走らせた。
『よ~し、岐阜までの勝負、スタートだ!』
そう言うと田宮もトラックを走らせた。
最初のコメントを投稿しよう!