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俺がまだ山梨にすんでた頃の話。 そん時俺は9歳だったんだけど小遣いあんま貰ってなくて 一ヶ月に50円とか、良くて100円だったんだ。 そんでこの時は小遣い全部使いきってて、でもどーしてもおやつが食べたかったんだよ。 でも子供ながらに親には迷惑かけたくないって思って、近所の駄菓子屋の前でジーッとお菓子を見つめてたんだ。 そしたら奥から意地悪そうなバーさんが出てきてさ。俺の物欲しそうな顔を見るなり 「何じゃ坊主、冷やかしか?だったらすぐ帰りんさい!」 って言うんだよ。 そんとき生まれて初めてなくらい悔しくて泣きそうになってさ 唇をグッと噛んでこらえてたらそのバーさんが 「そんな所にいられたら営業妨害じゃ。これやるから帰り。」 つって飴玉一つ俺の手に握らせたんだ。 俺嬉しくて嬉しくて…。ホントはこのバーさんも優しいんだなって。 それから2日に一回は駄菓子屋に通った。あのバーさんは嫌がる仕草を見せたけど、最後にはいつも俺の小さい手に飴玉を握らせたんだ。 でもさ。そんなバーさんが半年前に…ぽっくり、死んじまったんだ…。 俺、言いたいこといっ…ぱいあってさぁ!まだまだ会って話したかったのに… だから…
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