大嫌いで……

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ホント何もない田舎で、普通に道路で馬を引きながら歩いている人なんかもいる、ど田舎。 中学二年の辺りから、流行りの服を置いている店もない、映画館とかカラオケとか娯楽施設もない、コンビニさえ車で二十分はかかる場所にあるこの田舎が嫌いで嫌いで仕方なかった。 高校に入ってもその想いは募るばかり。特に嫌だったのが母親だ。 父親は俺が餓鬼の頃に交通事故で死んでしまったらしい。それからは女で一つで俺を育ててくれた。もちろん感謝はしてるけど…… あれもダメだ!これもダメだ!で高校生にもなって門限は午後七時。夜遊びなんかした日は、俺が遊んでいる場所をつきとめて連れ戻す始末。 携帯?みんな持ってるのに、俺だけ持ってなかったよ。小遣いも月2000円。欲しい物なんか何にも買えない。通っていた高校はバイト禁止だったし、なによりバイト出来る場所なんて限られてたし。金が凄く欲しかった。
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