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花が何か言いたげそうな顔でこっちに向かってゆっくりと歩いてくる
「…おっす」
「よっ…何の用だ?神聖なこの美術室に」
薄汚れて日もロクに射さない美術室だが 俺にとってここは大事な場所だ。
「べ、別に…」
花は視線を反らしながら応える
「……そういえば今日は何か描いたの?」
話を誤魔化しながら花が問う
「描いたけど、今日のは失敗作だな」
俺はさっきのチューリップの水彩画をしまおうとした、が花が…
「見せてよー」
「嫌だ」
「けち!」
「知るか!」
だが俺の抵抗虚しく水彩画は花に奪われてしまった。
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