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『○○君は何食べたい?』
あの時のあの時間が頭をよぎると、今でも涙が出そうだ。
『今日はハンバーグが食べたいな~』
『分かった!』
こんな会話をしながら僕等は、毎日を楽しんでいた。
僕等が就職が内定した時の事。
(まっ今の会社だけどね)
その年の忘年会に僕らは招待された。
前日からワクワクしながら支度して、朝1番の電車で移動する事になっていた。
忘年会とか初めてでなかなか寝付けない。
そのまま寝れないまま朝を迎え、電車に乗り、途中で同僚と合流。
夕べ寝れなかった僕は、電車に乗って直ぐに、深い眠りに入っていた。
2時間くらい寝ただろうか!
突然、変な胸騒ぎがして目を覚ました。
横に乗っていた同僚がびっくりした顔でこっちを見た。
その時だ!
(ブルルッ
ブルルッ)
携帯がクラスメートからかかってきた。
その内容を聞いた瞬間、頭の中が真っ白になった!
信じたくなかった!
受け入れたくなかった!
何が何だか分からなくなった!
『あのさ、向かってる途中、非常に言いたく無いんだけど…』
(少しの間沈黙が続く)
『どしたん?俺らもう直ぐつくでっ』
(何も知らない俺らは脳天気な事を言っていた)
『寛ちゃんが…
寛ちゃんが…
病気の為
亡くなった…』
その時寛ちゃんは23歳だった。
『申し訳ないんだけど明日が式だから、帰って来れるなら、最後に顔を見てやってほしんだけど』
『何言ってんの!
当たり前じゃん、俺らの仲間やろっ!明日朝1で帰るからっ!
んでっ 式は何時から!』
『ちょうど12時』
どう考えても、ギリギリか間に合わない。気持ちだけがかなり焦っていた。
朝1番で折り返して、会場に着いた!
寛ちゃんは僕らを待っていたかのように、静かに眠り、何も喋らない。
周りでは最後の別れの準備が終わっていた。
着いて5分も経たないうちに寛ちゃんが運び出されようとしていた!
静かに眠りについた寛ちゃんに、
『もっと言いたい事あるのに、話したい事いっぱいあるのになんで!なんでだよ!早すぎるだろ寛ちゃん!
その目を開けてくれよっ!何か言ってくれよ!』
その短い時間、寛ちゃんに喋り続けていた。
時間が来て、寛ちゃんが運び出される。
周りからすすり泣きの声が聞こえてくる。
『しくっ しくっ。』
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