最後は死が訪れようとも

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バートランド・ラッセル   私は、自分が死んだら腐り、私の自我の何一つとして残らないだろうと信じている。 私は若くはないし、人生を愛している。 しかし私は、自分がこの世から消えてなくなることを考えて恐怖に震えるなどという人を嘲らずにはいられない。 幸福にはかならず終わりがあるといっても、それが本物の幸福であることに変わりはないし、永遠につづかないからといって、思考や愛がその価値を失うわけでもけっしてないのである。 多くの人間が刑場で誇り高く振る舞って来た。 きっと、同じ誇りが私たちに、人類が世界の中で占める地位についてどう考えるかを教えてくれるにちがいない。 昔ながらの人を導く神話のぬくぬくとした世界に、科学によって開けられた窓から冷たい風が吹き込んで、たとえ私たちを震え上がらせたとしても、最終的には、新鮮な空気が活力をもたらし、広大な空間はそれ自体のすばらしい輝きをもつようになる。
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