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拝啓 神崎悠斗 様
少々、遅くなりましたが暑中見舞いをお送り致しました。
悠斗君の事なので元気でやっていると思います。
私達も年はとりましたが、お祖父さんは相変わらずです。
ところで、あなたが私達のところから離れ、もう五年が経とうしています。
小学校の間は学校について手紙に書いておられましたが、最近では全く存じません。
生徒会の方々がいらっしゃった時、あなたのここ最近の学校のことを聞きました。
元気そうで何よりでしたが、あなたが女の子の友達をつくった事が何より驚きでした。確か、「早乙女ハル」さんでしたっけ。生徒会の方々も彼女の話をしておりました。
今年の夏は暇だと聞いたので、交通費を入れておきました。
是非というより絶対、一緒にいらして下さい。
神崎佳乃より
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悠斗:「…………破り捨てたいッ…!」
8月の初め、こんな手紙が悠斗のもとに届きました。
只今、新幹線の中ですが、殺意のこもった声が響きます。
ハル:「いいじゃない。私は行って見たかったのよ、北海道。」
悠斗:「………てか、何で生徒会の人達がお前の事を知ってるんだよ?」
ハル:「それは多分、涼風琴音が私の従姉妹だからでしょ。」
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