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『俺…森に帰ったら…うんと獲物を取って、毛皮を金に代えて、きっとお返ししますよ』
直も恐縮するグラバーに、女性は笑顔で言った。
『そんな心配しないで!それよりも…足も良くなった事だし…私に街を案内させてちょうだい。
お医者様も退院の許可を下さったし…』
『いや…あの…俺は…』
尻込みするグラバーに、彼女は言った。
『まさか…もう、森に帰るなんて言うんじゃないでしょうね?
その足じゃ…まだ狩りは無理よ?
ましてや…ウェア・ウルフが相手じゃね?』
『!』
グラバーは驚いたが…
彼女は意に介した風情もなく…
『さぁ、命の恩人の言う事は聞くものよ♪
家に貴方の部屋も用意してあるし…
行きましょう♪』
彼女は、そう言ってグラバーの手を引いた。
『お芝居やら、見世物やら…遊園地にも連れて行ってあげる♪』
『は、はは…』
グラバーは、彼女の為すがままにするしかなかった。
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