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グラバーが街で、色々な物を見て…驚嘆の声を上げている時…
森では、ウェア・ウルフがいらついていた。
「おかしい…変だ…」
彼は鹿の肉を、ねぐらである洞窟の中で食べていた。
猟師が崖から落ちてからと言うもの…
彼は誰からも邪魔をされる事なく、存分に獲物を取り…
命の心配も無く、不自由の無い暮らしを楽しんでいたはずだった…
「奴は何故来ない?傷はもう癒えたはず…まさか、死んだか?
………いや…そんなはずは無いな…」
ウェア・ウルフは肉を食べ切り…
舌で口の周りを舐めた。
「…待て…俺は奴を心配しているのか?
何故…奴の身を?」
彼は、自分の思考と感情に矛盾を覚え…
また、更にいらついた。
「グラバー…!貴様…何処で何をしている?」
「貴様は俺に恩があるはずだ!俺はあの時に…止めを刺さず、見逃してやったんだぞ!」
「早くやって来い…貴様と俺は仇同士なんだぜ?」
「畜生…無性にいらつく…グラバーよ…早く来るがいい」
ウェア・ウルフは…
グラバーが消えてから、ずっと…悶々とした日々を過ごしていた。
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