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森でウェア・ウルフがいらついている事など…
当のグラバーは露も知らず…
街で平穏な時間を過ごしていた。
身体も完治し…彼は何度も森に帰ろうとしたのだが…
その度に彼の面倒を見てくれた女性…エレナに引き止められていた。
そんなある日…
グラバーはエレナに連れられ、湖に出かけた。
彼らは、湖の景色を楽しみながら…
のんびりした時間を過ごしていた。
そんな時、エレナが不意にグラバーに聞いた。
『貴方って不思議な人ね、たった一人で森に住んで…恐ろしい怪物を追いかけまわしてるなんて…』
グラバーは湖の景色を眺めながら…口を開いた。
『奴と俺は仇同士なんです…俺の家は代々猟師で、爺さんは奴に殺されたし…
親父も奴の女房を殺したけど…結局、奴に…
俺はあの晩、犬を殺されて…』
グラバーの言葉を遮り、エレナが口を挟んだ。
『ああ…グラバー…貴方って可哀そう!!一生森の中で狼を追いまわすなんて!』
『?』
『女の子と付き合った事も無いの?』
エレナは気の毒そうに聞いた。
『いいや…無いです…そのうち、村の物好きな女を貰って…子供を産んで貰いますよ…』
グラバーは言い難そうに話した。
『じゃあ…私の事…どう思う?私…貴方を好きよ?』
エレナは顔を赤らめながら…グラバーに言った。
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