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この日を境に…グラバーとエレナの関係は、かなり親密なものになった。
そんなある日…
エレナの住む屋敷に一人の男がやって来た。
『君がグラバーか?』
男はニックと言い、エレナの許婚(いいなずけ)だった。
『エレナ!恥を知りたまえ。
お父上が多忙で留守なのをいいことに…こんなどこの骨とも判らぬ男を連れこんで…』
『ひどいわ!ニック…そんな言い方って…ないわ』
『お嬢さん…彼は?』
声を荒げたエレナに、グラバーは聞いた。
『私はエレナの婚約者だ!』
脇からニックが答えたが…
『いいえ…元婚約者よ』
エレナはそれを否定した。
『誰でもいいが…お嬢さんを侮辱すると許さないぞ!』
グラバーは立ち上がり…ニックに詰めよった。
『許さない?結構!上等だ!』
ニックはグラバーの顔を平手ではたき…
『私は君に決闘を申し込む!嫌とは言わせんぞ!?』
と…言い放った。
『訳がわからんが…ケンカなら受けるぞ!』
こうして…二人は部屋を出て、外へと向かった。
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