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『本番仕込みのボクシングで…お前みたいな山猿など、１０秒で叩きのめしてやる』
『だから…相手するって言ってるだろ？』
二人は屋敷の中庭で対峙し…
傍らでは…エレナが不安そうな顔で見ていた。
『やめて！やめてちょうだい二人とも！』
『はは、エレナ…心配には及ばんさ…
さあ！山猿！掛かってこい！』
『言われなくても…行くぜ！』
こうして二人の殴り合いが始まった。
………………………
ガスッ！ドガッ！
……………………………
『やめて！やめて！！』
傍らでは…エレナが両手を頬にあて叫んでいる…
……………………………
ドガッ！バキッ！ボカッ！
………………………………
『やめて！』
二人は激しく殴り合い…形勢は五分だった。
………………………………
ゴツッ！ドガッ！
………………………………
『やめ… グラバー！そこよ！アッパーカット！！！』
エレナの声を受け…
グラバーのアッパーが、ニックの顎を綺麗に捉えた。
ダウンしたニックに、執事が駆け寄り…
エレナはグラバーに抱き着いた。
『ああ、グラバー素敵よ♪私のために戦ってくれたのね♪』
『え？』
狐につつまれた様な顔をしたグラバーに…
ニックが近いてきた。
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