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確かに…ウェア・ウルフは化け物だし…返り討ちに合う可能性もあったが…
グラバーからしたら…娘を殺した、憎い仇だった…
そして…
『子供はまたつくれば…』
と言う…
エレナの言葉もある意味、正論ではあったが…
グラバーには、到底…受け入れる事が…出来るものではなかった。
彼は言葉にならない叫びをあげながら…
拳銃を持ち、寝室から飛び出した。
『うわぁぁぁぁぁ…!』
『グラバー!待って!待ってちょうだい!』
『うわぁぁぁぁ!!』
絶叫しながら走るグラバーの背後から…
エレナの叫び声が聞こえた。
『お願い!行かないでグラバー!!』
グラバーは振り向く事もせず…走り…
通りへと出た。
そこには、グラバーを待つウェア・ウルフがいた。
『狼!俺も森に帰るぞぉ!』
グラバーの姿を見つけた狼は…
着ていた衣装を脱ぎながら…
二足歩行から四足へとシフトを変え…その格好も…
人間らしいスタイルから…毛むくじゃらのいつものスタイルへ変え…走りだしていた。
『待て!待ってくれぇ…』
拳銃を撃ちながら、追いかけてくるグラバーを…
ウェア・ウルフは楽しげに見ていた。
『ハーハッハッハ! そうだ!追ってこいグラバー!!追ってくるんだ!』
彼らは…遥か向こうにある森へと…
走って行った。
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