憧れと苦悩

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俺は関わりを持ちたくなかったので、無視でいこうと思っていたが…… 「あ、奇遇ですね」 俺の目の前に出て来やがった。 「キョウ、この女の子誰?」 竜は疑いの目線を俺に送りつける。何を疑っているのかは分からないが。 「さっき、廊下でぶつかった奴。ただそれだけ」 それ以上は言いません。 「ふーん。桜井クンが女の子に関わりを持つなんて珍しいね」 あぁ珍しいさ。……俺から求めたわけじゃあないけどな。 てかさっきからずっと竜の手を握っているけど……手汗とか、かかないのかな? そんな感じで西野を視界にいれぬよう他のものに視線を移していると、西野……もとい、僕っ仔が話し出した。 「僕の家もコッチなんです」 だから何だ。何で俺に関わる。 「お前、一人で帰れないんだろ……」 哀れ目線で俺は言ってやった。てか、さっさと俺の前から去ってほしいのだが。 「ち、違います!帰れます。たまたま一緒になっただけです」 嘘付け。
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