憧れと苦悩

17/23
前へ
/296ページ
次へ
「は、はい!?」 急に話しかけたので西野はビックリしてしまったようだ。 「だから送っていってやるって」 自分でもこの行為に違和感を感じるんです。早く答えてください。 「それは……僕の家まで一緒に帰るって事ですか?」 「ん?そうだけど……」 すると西野は顔を赤く染めて…… 「そ、そのまま上がり込んで、お、おそ……」 「誰が襲うか!」 本っっ当にコイツは馬鹿なのか、阿呆なのか……。 「つか、この暗い中一人で帰える方がよっぽど襲われるんじゃないか?」 そして無意識に心配している俺がいる。まぁ……コイツなら嫌いな族じゃないしな。 「そうですけど……。僕の家遠いですし……」 「ふーん。じゃ俺は帰るから。じゃな」 「へっ?あ、え……。じゃ、じゃあお願いします……」 最後の方が良く聞こえなかったが、お願いしますと言ったのは聞こえた。 それにしても……ちょっとだけその仕草が可愛いって思ってしまった……。色々と調子が狂うな。
/296ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4283人が本棚に入れています
本棚に追加