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「――あれキョウ君じゃない!?」
いつものように聞こえる女子の声。……俺が嫌いな女子の声。
「そうだよ!彼ってかっこいいよね~」
まだ聞こえる。ただ廊下をあるいているだけでこれだ。
「声かけてみよっか?」
「無理だよ。私たちなんかじゃ相手してもらえないよー」
当たり前だ。俺は女が嫌いなんだ。近づくだけでも許さねぇ。
「一緒に帰れるかな?」
しかし、女達は俺の意に反して更に近づこうとする。
「え~?難しいよ。声かけるだけでも勇気いるもん」
だったら止めろ。さっさと俺の周りから立ち去れ!
「でもでも~。言うだけなら大丈夫じゃん?」
この言葉が俺の逆鱗に触れた。
「何なんだよ!お前等は!いっつもキャーキャーうるさいんだよ!」
俺が怒鳴る事を想定していなかったのであろう。周りで俺の噂話をしていた女子は黙ってしまった。
……もう俺に関わらないでくれ。
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