16人が本棚に入れています
本棚に追加
突然のインターホンに体がビクッと硬直する。
どうしょう…? 絶対にあの紙に書いてあった係員の人だよな……。
金、全額ではないとは言え使っちゃったし、今更行きませんとも言えないしなぁ……。
ピンポーン
中々出てこない僕を急かすかのように、再び押されるインターホン。
恐ろしい。
このドアの向こう側にいる人が誰なのか、どんな人なのか分からない分、余計恐ろしい。
もし、体中傷だらけのヤ〇ザみたいな人だったらどうしょう。
勝手な想像がどんどん膨らみ、頭の中を埋め尽くして行く。
恐ろしや。恐ろしや。
ロシアの殺し屋恐ろしや。
ピンポーン
そして、三度目のインターホン。
もう、こうなったら居留守だ!居留守しかない!!それ以外に僕の生きる方法は……
「あれぇ~?いないんですかぁ~? おっかしいなぁ…ポストに封筒は入ってなかったのに……」
…あれ? 女の子の声?
聞こえて来たのは想像していた野太いドスの利いた声ではなく、若い女の子の実に可愛らしい声だった。
僕は迷わず、彗星の如き速さで扉を開けた。
最初のコメントを投稿しよう!