第1章 招待状 ~僕と電波のいい旅夢気分~

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  「え、え…と、ちょっと待って…?待って下さい……」 少女は自分の胸に手を当て二、三度深呼吸してから俺の方へ向き直った。 「と、とりあえず私の名前はパティ。残念ながら人間ではありません。これはコスプレでもありませんし、私は正真正銘の天使です。スリーサイズは…、ってどさくさに紛れて何て事聞いてるんですか!教えませんよ!! 私の胸は大器晩成型なんです!」 …うわぁ。よりによって天使とか。こいつ、電波ユンユン。 「そうか、天使か。君は何か悪い夢を見てるようだな。 そうだ、このカードには80万円入ってるから、これで温泉でも行って疲れを取ってくるといい。」 「何言ってるんですか!私は疲れてませんし、悪い夢も見てません! もう、何ですか!さっきから失礼な人ですね!」 ぷんぷん怒っている少女、パティ。 くそぅ、どさくさ紛れにカード押し付けて逃げようと思ったのに…。 しかし、最初は本当にただの電波さんかと思ったけど、それにしては背中の羽はリアル過ぎるし、頭の輪っかは本当に光の輪っかのようだ。 もしかして、こいつ本当に天使…なワケないか。 最近のコスプレ技術は凄いんだなぁ。  
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