16人が本棚に入れています
本棚に追加
「え、え…と、ちょっと待って…?待って下さい……」
少女は自分の胸に手を当て二、三度深呼吸してから俺の方へ向き直った。
「と、とりあえず私の名前はパティ。残念ながら人間ではありません。これはコスプレでもありませんし、私は正真正銘の天使です。スリーサイズは…、ってどさくさに紛れて何て事聞いてるんですか!教えませんよ!! 私の胸は大器晩成型なんです!」
…うわぁ。よりによって天使とか。こいつ、電波ユンユン。
「そうか、天使か。君は何か悪い夢を見てるようだな。
そうだ、このカードには80万円入ってるから、これで温泉でも行って疲れを取ってくるといい。」
「何言ってるんですか!私は疲れてませんし、悪い夢も見てません!
もう、何ですか!さっきから失礼な人ですね!」
ぷんぷん怒っている少女、パティ。
くそぅ、どさくさ紛れにカード押し付けて逃げようと思ったのに…。
しかし、最初は本当にただの電波さんかと思ったけど、それにしては背中の羽はリアル過ぎるし、頭の輪っかは本当に光の輪っかのようだ。
もしかして、こいつ本当に天使…なワケないか。
最近のコスプレ技術は凄いんだなぁ。
最初のコメントを投稿しよう!