2/6
前へ
/20ページ
次へ
昔から何かあると、いつもここに来ていた。 学校の裏にある空地の奥。今は静かにたたずんでいる大木。 嬉しいこと、悲しいこと、苦しいこと、楽しいこと。何かあれば、それを話しに。 まるで年上の兄弟のように思っていた。それくらいこの場所に来ていた。 誰も知らない、俺だけの。 なのに。なんで。 「はろーちょりっすこんにちはー」 木の上に誰かいるんですか。 しかもやたらノリの軽い。というか見た目がちゃらい。 何かの呪いですかもしくは夢ですか。左耳のピアスを引っ張るとびりりと電気が走るように痛んだ。 現実かよ。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加