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―吸血鬼が旅行したら4―
1942号室 架院,瑠佳の部屋。
ーカチャッー
架院が先に部屋へ入り,
瑠佳の為にドアを押さえる。
架「入れよ,瑠佳」
瑠佳は密室に男と二人きりということで
頭がいっぱいで,
部屋の入り口で立ち往生していた。
瑠「えっ,でも……。
幾ら暁でも,男と泊まったなんて
お祖母様に知られたら
殺されるわ…私💧」
架院は,瑠佳の手を取り
部屋に引き摺り込んだ。
架「黙ってれば,バレねぇよ。そんなの」
架院と手を繋いだままだった瑠佳は
我にかえり,
手を離して彼から荷物を受け取った。
瑠「とっ,とにかく!!
間違ってもヘンな気は
起こさないでよね💨
後,ここから私の陣地よ。
勝手に入らないで頂戴」
瑠佳の照れ隠しにしか取れない言動に,
流石の架院も心が揺らぐ。
架「わかった。大丈夫だ…多分
(…保証は出来ねぇけど)」
架院の曖昧な言葉に,不安がる瑠佳。
瑠「多分?多分って何よっ⁉」
架院は自分の言葉に自信が持てない為,
別の場所で寝ることにした。
架「俺…手出さないって自信無いから,
他の場所で寝るわ。
俺だって男だしな…(笑)」
架院はシャツを掴まれ,
瑠佳に引き止められた。
瑠「えっ…一人は嫌💦
私,暁なら………」
そこまで言うと瑠佳は
恥ずかしくなったのか,
俯いてしまった。
架「瑠佳…あんまり挑発するなよ(苦笑)
なぁ,手出さないから
隣りで寝ても良いか…?」
一瞬 驚いた瑠佳だが,
優しく微笑んだ。
瑠「隣りに来て…?暁…」
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深夜,隣りから瑠佳の声が聞こえて
起きた架院。
瑠「…むにゃっ…暁…」
どうやら,彼女の寝言らしい。
架「瑠佳…。
俺の名前なんか呼びやがって…(微笑
お前,何時になったら
俺の想いに気付くんだ…?」
長年の想いが溢れ出る架院は,
自分の隣りで気持ち良さそうに眠る
瑠佳にそっと口付けた。
大切な彼女を起こさぬ様に,
優しく口付けた。
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