☆番外編☆

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―吸血鬼が旅行したら5―   1943号室 支葵,莉磨の部屋。   ーキィッー   部屋を開けるなり, 呆然と立ち尽くす莉磨。   支「…莉磨?入らないの?」 不思議に思った支葵が背後から 声を掛ける。   莉「何これ…。何で和室なの?」   部屋を覗き込んだ支葵の瞳には, 襖に畳,豪華な着物と絶景が映った。   支「本当だ…。寮長,何を 考えてるんだろう…?」   そう呟く支葵の声は 莉磨には届かず, 彼女は着物に釘付けであった。   莉「ねぇ支葵,この着物 随分高そうよ。 …着ても良いのかしら?」   モデルという仕事柄,2人は 着物に夢中である。   支「置いてあるんだし, 良いんじゃない?   俺…着付け出来るから, 着てみれば…?」   頷きかけた莉磨の顔が 少し紅く染まる。   莉「脱ぐ……の…?」   無言で頷く支葵。 支「だって…脱がなきゃ 着付け出来ないし…。   それとも莉磨, 俺に着付けされるの…イヤ?」  支葵は着物を手に取り, 莉磨に合わせた。   莉「イヤじゃないけど…。 やっぱり恥かしいし, 私も女の子だし…。」   莉磨を背後から抱き締める。    支「大丈夫だよ…俺,莉磨のこと 大好きだから。   着物姿の莉磨が見たい。」   頬を薔薇色に染め,洋服のボタンに 手を掛ける。   莉「良い,支葵? 絶対見ないでよ//」   莉磨の照れ具合に苦笑し, 困惑する支葵。   支「見なきゃ着付け出来ない。 …莉磨って,目立たないだけで スタイル良いんだね。   肌のキメが細かくて,絹みたい…。」   莉磨は恥ずかしさで黙りこみ, 支葵は黙々と着物を着せ 鏡台の前に彼女を座らせた。    莉「…支葵?」   莉磨が振り向くと,柔らかな唇が 押し付けられた。   支「莉磨が可愛かったから, キスしちゃった。   髪,良い匂いするね…。 セットするから解くよ。 俺がもっと可愛くしてあげる…。 莉磨,大好きだから。」   莉「支葵のバカ…/// あたしだって,支葵のこと 大好きよ…。」                     兼ねてから胸に秘めていた 想いを告げ合った2人は, 晴れてカップルになったのである。
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