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―枢サマが優姫を抱いたら―
『やっ…。あっ,枢…お兄様っ…ダメ』
仄かな月明りが照らし出したベッドの上の少女は,真っ白な肌を紅く染めていた。
『何がダメなの?優姫』
サラサラの髪をした切れ長の瞳の青年が,少女に優しく問い掛ける。枢お兄様と呼ばれた青年の朱唇は,妹・優姫の首筋を這うように撫でる。
『零がっ…来ちゃう…。零にみられた……んんっ』
優姫の桜色の唇が,枢によって塞がれた。
『優姫,君は僕に抱かれてるのに,他の男のことを考えてるの?』
嫉妬深い枢は,優姫を弄る力を少しだけ強めた。
『痛っ…違い…ます』
一瞬,痛みを感じた優姫は枢自身を締め付けた。
『そうだよ,優姫…。君を抱いてるのは,この僕だよ。僕以外を想うなんて,許さない』
優姫の華奢な鎖骨に,熱い口付けを落とした。
『ぁんっ…枢お兄様…』
何かをねだるような視線と,うわずった甘美な声。
『この光景も,その声も僕だけのものだ。他の奴等なんかに,聴かせるものか』
枢は優姫の腰に手を回し,自身の欲望を注ぎ込んだ。
『枢っ…枢!!お兄様…』
全てを受け止め,脱力したのかグッタリした優姫。そんな彼女に優しく微笑み,腕まくらをして抱き締める枢。
『愛してるよ,優姫。この世の何よりも…』
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