第一記 崩れた日常

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1 「ナンダココ?」 俺は寝てる筈だよな。と、疑う程に生々しい。 「いや・・・絶対寝たはず。」 ぼそぼそと呟きながら周りに目をやると、見える建物はなく空には沢山の星、足元は足首の高さまである草が茂っている。 「おーい。誰かいませんかーっ。って誰もいるわけないか。」 自分で自己完結する。声は静かで音もない場所に響くだけ。 「なんなんだよ。ここは。」 呟きに答えてくれる相手は当然、居るはずもない。 「あーっ。やってらんねぇ。・・・夢でも寝てやるっ。」 茂る草の上にバタリと倒れ、目を瞑る。 『そのうち目覚ましが鳴って目が覚めんだろ。』 と夢の中で自分に言い聞かせた。 「ぷっ。君は変わらないね。」 目を瞑り転がっていると頭上から声がする。くすくす笑い声も混じって聞こえる。 それになんとなくムカついたので 「・・・誰あんた。」と、目を開けてムクリと起き上がり相手の顔を見る。 「おやっ、忘れちゃったのかい、僕を。淋しいな。」 切なそうに笑う。 しかし、俺は本当に知らないからジロジロとそいつを見る。 それにしても、変な服・・・いや、黒い甲冑?黒い鎧に身を包んだ金髪のサラサラストレートの髪、目は星のない夜の様な濃紺色。
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