第二幕:番長が×××

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オレンジの不良は悔しそうに顔を歪めると、 素早く立ち上がって鉄バットをかまえた。 「アンタ新入りだろ? アタシに挨拶なしに帰るなんて、どういうつもりだ?」 「挨拶って… 何、キミそんな格好して実は校長とかなの?」 「違うっ!!」 オレンジの不良は叫ぶと、 両手を腰にあててふんぞり返った。 なんともえらそうだ。 「アタシは可愛くてスタイルよくて、 ついでに性格も完璧な学園の番長だっ!!」 ゼノはポリポリと頭をかいた。 どうにも展開についていけない。 「えーと… 頭ん中に苔でも生えてんの?大丈夫?」 「ばっか!! んなワケねーだろが!!」 どの辺が性格が完璧なのだろうか。 制服のネクタイを意味もなく指先で弄びながら、 ゼノは真剣に考えた。
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