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早足で帰路を進むゼノ。
その背後から異様な気配を感じたのと、
鉄バッドが脳天めがけて振り下ろされたのはほぼ同時だった。
ゼノは野生動物並みの反射神経でギリギリかわしたが、
バッドがかすかに頬をかすめ、
摩擦の跡を白い肌に刻んだ。
チリリとする痛みを無視し、
ゼノは下から相手の顎めがけて蹴りをくりだす。
しかしそれは地面に激突していたハズの鉄バッドに阻止され、
足に鈍い痺れを残した。
ゼノは舌打ちをすると、
バック転で塀の上へと移動した。
見下ろした先にいるのは嬉しそうに鉄バッドを握るオレンジのオカマ不良。
「最高、楽しすぎるわゼノ君」
恍惚とした表情におさまりかけていた鳥肌が再発する。
ゼノはぶるりと体を震わせた。
「その可愛い容姿といい、
子猫みたいにすばしっこい動作といい…
アタシのツボど真ん中!ドストライク!!」
頬に手をあててクネクネするオレンジの変態オカマ不良。
直視できないその光景にゼノはめまいをおぼえた。
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