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「だからぁ…」
しかし空気は一気に変わった。
「アタシにぼこられて?」
目の前に迫る鉄バッド。
先ほどと同じ箇所にこすれて、
ゼノの頬から血が流れた。
痛みにかすかに顔を歪めたゼノを見て、
オレンジの変態オカマ不良はさらに嬉しそうに口端を上げる。
ゼノはその顔を見て、深いため息をついた。
「悪いけど、
ボクはやられるのは嫌いなんだよね」
「そう?
でもやられてみたら意外とハマるかもよ?」
「冗談」
ゼノは鼻で笑い飛ばし、
制服のポケットに手を突っ込んだ。
そしてふわりと塀から飛び降りた。
その地面に着地するまでの数秒間。
そのわずかな間にどういう訳か、
ゼノの手中には巨大な鎌が握られていた。
「人に屈するのは嫌いだ」
ゼノの鋭い目が獲物を捕らえた。
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