第三幕:ぶりっこの悲劇

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爽やかな朝。 校門前に響く、学生達の賑やかな声。 その中のひときわ小さな男子学生めがけて、 一人の少女が猛突進していった。 「きゃあっ!?」 ぶつかった勢いで少女は地面に膝をついた。 周りがざわめく。 「いっ…」 ぶつかった相手のうめき声が聞こえた。 少女は潤んだ瞳で相手を見つめた。 「ご、ごめんなさい、急いでて…」 学園ラブストーリーでよくある展開。 男が慌てて、 「怪我は?大丈夫?」 顔を近づけて問いかけてくる。 そこで少女は立ち上がろうとして、 「大丈夫…いたっ!? …足、くじいたみたい…」 そう言えば男がさっとお姫様抱っこをして、 「大変だ!保健室まで連れて行ってあげるよ!」 「やだ恥ずかしい!」 そうして二人は学園公認のラブラブカップルになりました。
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