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普通であれば痛みに悶絶するであろう攻撃に、
教師らしき男は笑顔を崩さなかった。
むしろ、笑顔が輝きを増している。
「照れちゃって…んもー可愛いっ!!
ね、今度はマコトちゃん、って呼びながら刺して!」
予想外の言葉にゼノは顔をひきつらせた。
いくらなんでも気持ち悪すぎる。
ゼノは慌てて教師―変態マコトの手を払い、
脳天に華麗なかかと落としをキメた。
しかし強い打撃にも関わらず、
マコトはかすかに頬を赤らめて微笑んでいる。
それを視界の端にとらえた瞬間、
全力疾走で逃げ出したゼノ。
背後から気色の悪い声が追ってきたが、
ゼノの速度についてこれなくなったのか、
グラウンドに出る頃には完全にまけたらしかった。
ゼノはグラウンド脇に設置された水道に手をのばし、
ド変態に触られた顎を洗い流した。
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