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ゼノはグラウンドの隅に設置されたベンチに寝転んだ。
朝の緩やかな日光が眠気をさそう。
ちょっとだけ、とつぶやいて、
ゼノは目を閉じた。
瞬間。
「ゼノくん~っ!!」
聞き覚えのある声。
ヘタレ生徒会長、ユウだ。
しかし面倒だったのか、
ゼノは返事どころか目を開くことすらしなかった。
「捜したんだよ!
転校初日から迷子になったら大変だからね」
そよそよと風が吹く。
ゼノは身動き一つしない。
「…ゼノくん?」
ユウは涙目になり、
オロオロとゼノの周りを回りだした。
「どうしよう…
ボクなんか悪いことした?
ご、ごめんね。
こんなボクが生徒会長でごめんね!
だからゼノくん、目を覚まして!!」
ユウの必死な声に、
ゼノの眉がピクリと動いた。
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