母親の記憶

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 まだ帰りたくない‥ 道草を喰っているのが楽しいからでは無く訳は別にあった。 むしろ長い時間一人でいて心細くなってきている‥ 『‥そろそろ帰らなきゃ‥』僕は、あの時、そう呟いただろうか?  その頃、私たち家族が住んでいた家は一戸建ての社宅で、少し奥まった所に建っていた。 家の前には4階建てのビルがあって、ビルはメイン通りに接している‥ そのビルの脇を通り薄暗い家の玄関に近づく‥ メイン通りの雑踏が静になる‥
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