最後の夜

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  「マリちゃん なんか  食べたいもの ある?」   食欲がない なんてゆったら 心配かけるだけよね   アタシは 努めて明るくふるまった   「おすすめは~?」   「鶏丼なら平野が作れますよ」   カウンターの中から 大将っぽい人が 話しかけてきた   「えー アキちゃんが  作れるの?  じゃあそれにしようかな」   「作るってゆっても  大将が焼いた焼鳥をバラして  丼に盛り付けるだけだよ」   「うん でもそれにする」   なんでもよかった   アキちゃんの思い出を 少しでもたくさん作ろうと 必死だった  
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