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翌日、やっぱり気が向かない私は寝坊した。
「あーぁ。でも、行かなきゃまずいよねぇ。仕方がない、行くだけ行くか。」
陸上競技場についても、広くてクラスメイトも探せない。
一体どこに行けばいいんだろう??
と困りつつ歩いていたら、
一コートだけ女の子が群がってる?
「なんなんだぁ。有名人でも来てるんだろうか?」
ぶつぶつ言いながら歩いていると私を見つけて和音が走ってきた。
和「もう、彩ったら、遅すぎ。始まってるよ。凌くんの試合。」
私「そうなんだぁ。で、実際どうなの?」
和「うわさ以上だわ。」
私「へー。そりゃ楽しみだわ・・・でも、ルールわかんないけどね。」
和「なにボケてんのよ。ルールよりも男でしょ。」
私「はいはい。期待してるわよー。」と和音に引きずられ歩いた。
女の子が群がってるコート・・・
どんな人かなぁ?
こりゃ楽しみかも。
でも、「きゃぁきゃぁ」という女の声にいささか苛立ってもいた。
「ジャ○ーズでもあるまいし・・?」
そうつぶやきながら、見たコート。
人垣の間から、日に焼けて、細くてしなやかな腕と足を持つ人。
走るたびに揺れるサラサラの前髪が印象的だった。
私は言葉なくただ、その人を見た。
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