10、現実

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ここどこ? 辺りを見回す…。 小次郎くんと目があった。 「彩、大丈夫か?呑みすぎだよ。大体、踊りながら寝る奴いるかよ・・・。だから、気をつけろっていったのに・・・。」 と、小次郎くんが心配そうに覗き込む。 私「ごめんなさい。和音は?凌くんは?」 小「隣の部屋」 私「ここって?もしかして、ホテル?」 小「あぁ。ごめんなぁ。寝てるまま、送っていくわけにもいかないし、あの二人は一緒の部屋じゃ嫌だって言うし・・・。」 私「私が悪いんだから・・・誤らなくていいよ・・・。」 気まずい・・・沈黙・・・ 隣の部屋の・・・凌くんと和音・・・考えたくないことが、頭に浮かぶ・・・。 「帰ろうか?」 小次郎くんが口を開いた。 「ごめんね」と謝る私。 小「待つっていったよね。彩がその気になるまで・・・。そりゃぁ。凌に抱かれたまま、寝ちゃうのには、焼けるけど・・・。酔ってたんだから、しかたないしなぁ。」 本当にいい人なんだよね。 なのに、私は凌くんに惹かれてる。 最低だ、私。 「出よう・・・。」 小次郎くんが私の手をつないで歩く。 暖かい手・・・優しい手・・・なのに、私は彼の気持ちに、こたえることができない・・・。 辛いよ。 いい人過ぎるから・・・。
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