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やっぱり行こう。
そっと、ずり落ちそうになった制服をなおして、その場を離れようとした。
彼が寒くないように・・・
と思った時に不意に手首を掴まれた。
「置いてくなよ。」
なんで?
寝てたんじゃなかったの?
私が驚いていたら、
「なーんてね。目が覚めちゃった。」
「あ、そうなんだ。」
「彩、今何時?」
「11時かな・・・。」
「やばい、俺、約束あるんだ。誘っといて悪いけど、昨日の店、いっておいでよ。きっと、誰かいるしね。ヒマつぶしになるよ。じゃ、またね。」
私は、唖然として、
歩いていく後ろ姿を見つめていた。
「はぁ?」わけわかんないよ、この人、何考えてるんだろ?
と、思いつつも何も、言えないまま、彼の背中を見送った。
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