4、戸惑い

7/14

1745人が本棚に入れています
本棚に追加
/307ページ
やっぱり行こう。 そっと、ずり落ちそうになった制服をなおして、その場を離れようとした。 彼が寒くないように・・・ と思った時に不意に手首を掴まれた。 「置いてくなよ。」 なんで? 寝てたんじゃなかったの? 私が驚いていたら、 「なーんてね。目が覚めちゃった。」 「あ、そうなんだ。」 「彩、今何時?」 「11時かな・・・。」 「やばい、俺、約束あるんだ。誘っといて悪いけど、昨日の店、いっておいでよ。きっと、誰かいるしね。ヒマつぶしになるよ。じゃ、またね。」 私は、唖然として、 歩いていく後ろ姿を見つめていた。 「はぁ?」わけわかんないよ、この人、何考えてるんだろ? と、思いつつも何も、言えないまま、彼の背中を見送った。
/307ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1745人が本棚に入れています
本棚に追加