5、土曜日

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カウンターの椅子に軽く腰掛けていた凌くんは、黒に近い細身のスーツに、黒のランニングか・・・。 制服よりもずっと、大人に見えるなぁ・・・。 「彩も、凌が気になるの?」 と、小次郎君が私の顔を覗き込む・・・。 近づきすぎ・・・ 両手を伸ばして、離れる・・・。 「そんなに驚かなくても・・・」 と慌てている小次郎君。 「ごめん。ごめん。急に近くにいるから、びっくりしただけよ。」 と平静を装う。 そのとき、マスターがそろそろ時間だから、楽しんでおいでとみんなを店から送り出し始めた。 凌くんの腕を引っ張ってやってきた和音に連れられて、後を追うように歩く、私の隣には小次郎君がいたけど、目の前の二人の様子に釘付けだった。
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