5、土曜日

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そういう、セリフがどこから出てくるの? あんたのせいで、昨日から、きつい視線を浴びてるんだけどなぁ。 と、思いつつも 「もしかして、私のためだったりするのかな?ありがとね。」 彼は答えなかった、 ただ、私の手を引いて歩いていく。 その手を離さずにいる私が自分でわからなかった。 友達の好きな人なのに・・・。 着いたのは、この間の店。 休日だというのに、店内はやはり静かだった。 「もう、眠さ限界だよ。」 と着いた途端に寝始める。 おいおい、私はお母さんかぁ? 文句の一つでもと思うが、寝顔があまりにもきれいで、何も言えなかった。 昨日の今日、さっきまでみんなと遊んでたんだもん眠いよね。 でも、寝るなら、帰って寝たらいいのに・・・。変なの? コーヒーを飲みながら、雑誌をめくる・・・ 静かに起こさないように気をつけながら、タバコに火を付ける・・・。 ぼんやりと寝顔を 見つめていたら、不意に目が合った・・・慌てて目を逸らす・・。 再び視線を戻すと、また目が合った。 そして、彼は再び寝付いたのか、規則正しい寝息が聞こえていた。
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