5、土曜日

30/30
前へ
/307ページ
次へ
タクシーに乗ると、どっと疲れがでた。 わけわかんないなぁー。いつも、振り回される・・・でも、嫌じゃない。 私のこと不思議だって言うけど、もっと、不思議なのは、凌くんだわ。 ポケットに手を入れると、 あ、携帯切ったままだった。 電源をいれると、すぐに和音からの着信。 「ごめんね。ちょっと、でられなくって・・・。」と、嘘をついた。 チクン、胸が痛い。 「いいの、いいの。昨日のこと、もう大丈夫かと、思ってね。で、凌くんと・・・と話し続ける・・・。」昨日、あれから、あったこと、 そして、二人で過ごしたこと・・・。 「うんうん。よかったね・・・。」と、答えながら、胸が痛かった。 彼が眠たかった訳も、・・・抱いてって言わないからなぁー・・・。 という呟きも・・・ 「ごめんね、和音、ちょっと、急ぐから切るわ。」と、電話を切った。 タクシーから降りると、涙が出てきた。 もしかしたら、私も彼のことが好きなのかもしれない・・・。 でも、友達が大好きな人なのに・・・ 彼女もいるのに・・・ なのに、他の女と寝るような奴・・・ 涙が止まらなかった。
/307ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1745人が本棚に入れています
本棚に追加