6、偽りの心

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カラーン。 「いらしゃい。久しぶりだね。」と、マスターが微笑む。 「和音、来てるよね。ごめーん。ひさびさ。」 と、声をかけたら、和音の横にいる彼に、目が奪われた。 何もなかったように「久しぶり・・・元気してた?」 と話しかけてくる凌くん・・・。 和音は、あの日、飲みに行ったのを知っているのだろうか? そして、当たり前のように和音が、彼の横にいるのを見ると、やっぱり心が痛かった。 「うん。元気だった。ちょっと、忙しかったんだけどねぇ。」 と、作り笑顔で答える。 和音「今日は、1週間分付き合ってよね・・・。」と、いたずらっぽく笑う。 「それは、言う相手間違ってるんじゃないの?私がいるとお邪魔じゃない?」 と、笑い返す。 和音とのこんなやり取りはキライじゃない。 和音は、気が付いていないと思うけど、 本音がわかりやすい、嫌なとき、嬉しいとき、悲しいとき、どんなに憎まれ口を利いていても、私には彼女の心の動きがよくわかった。 だからこそ、本音で付き合えるのかもしれない・・・。
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