3114人が本棚に入れています
本棚に追加
/225ページ
「…ただいまっ」
あのあと、しばらくの間は榊さんの出ていったドアをぼうっと見ていたが、夕方の5時を過ぎてしまったことに気づくと急いで家に帰った。
「おかえり、なさい…」
そう言ったお母さんの目が、心なしか赤かった。
泣いたの?
何で、かなー…?
「夜ご飯なあに?」
お母さんはずっと、複雑な、今にも崩れてしまいそうな表情をしていた。
きっと知っていた。
欄舞が男子校だということを知ってた。
知りながら、私に云わなかった……。
「今日はチャーハンとレバニラと…まあ、中華よ」にこっ
きっと、榊さんもただの知り合いなんかじゃないよね。
もっと何か近い……
“血縁”がありそう、かな。
「お腹減っちゃった!
食べよ食べよ♪」
「そうね」
最初のコメントを投稿しよう!