720人が本棚に入れています
本棚に追加
『ふっ、ふっ、ふっ、』
青山(あおやま)聖(ひじり)高校一年性別男、、はさっきから不気味にも‐ふ‐を連発していた。
別に楽しくて笑っている訳でも、嬉しくて笑っている訳でもない。
………まず、笑っていない
『ふざけるなぁー』
俺はとうとう我慢できずに叫んでいた。
『な・に・が、離婚しようと思うのっ❤だ。語尾にハートマークまでつけやがって。しかも再婚するっ⁉何考えてんだよ?』
苛々とした口調でそういって、自分の眼と同じ高さにある母親の眼を見て睨む。
身長が低いせいで迫力がでないのが少し悔しかった。
「だってぇ、この前パパと旅行にいったとき、偶然出会った別の夫婦の旦那さんのことが好きになっちゃって、パパもその人の奥さんのこと好きになっちゃったんだもん。」
俺の母は、いともあっさりと、そう、まるで今晩のおかずでも告げるかのようにそんな爆弾発言をしてくれたのである。
『………』
俺は衝撃のあまりしばらく口を開けたままかたまっていた。
『はぁ~?本当何行ってんだよ?だいたい、その夫婦がいいって言わなきゃ再婚なんてできるわけ無いじゃん。』
正気に戻ってそういったあと、まぁ、いいなんて絶対言われる訳無いだろう、なんて心の中で思っていた。
「大丈夫!心配しないでっ実はもう、むこうの夫婦とパートナー交換の約束しちゃったから❤
お互い一目惚れしてたのよ!素敵じゃない?」
母は楽しそうに言った。
最初のコメントを投稿しよう!