8人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
家に帰ってシャワーを浴びて一日の疲れを洗い流して、テレビを見ながら寝る。
それが仕事帰りのいつもの過ごし方だったけどその日は違った。
お風呂から出ると携帯が鳴ってる。
画面を見ると、優からだった。
出ようか迷ったけど、出ることにした。
「もしもし?」
「もしー誰かわかる?」
「優でしょ」
「ていうかメール見てくれた」
「ごめん今お風呂だったから、みてないや」
「じゃあ見たらかけなおして笑」
「なにそれ笑」
「いいから、いいから」
「じゃあね」
「バイバーイ」
優からのメールを開いた
優
題名:今日はありがとー
本文:ありがとな、久々に営業中に楽しかった!
今日本当に家行ってもいい??
ちょっと揉めちゃってて寮に帰りたくないんだ。
なにかあったのか心配になったから、電話をかけなおした。
「メールみたー?」
「見たけど、どうしたの??」
「なんか人間って悲しいね」
「どういうこと?」
「で、行ってもいいの?」
「答えになってない笑」
「会ったら話す笑」
「わかったから早くきなよ」
「ありがと、どのへんなの?」
「西公園の裏のマンションの201」
「近っ!!1分で着く」
「わかった、わかった笑」それから5分くらいして、チャイムが鳴った。
玄関のドアを開けると優がいた
。
「5分だよ1分じゃなかったの?笑」
「ごめんごめん、あがってもいい?」
「どうぞ」
「まじいい家住んでるね、一緒に住みたい」
「よく言うよー」
少しして、優にお茶をだしてあげてから鏡の前で髪の毛を乾かしていた。
すると、いきなり後ろから抱きしめられた。
びっくりしたけどなにがなんだかわからなかった。
優が泣いていたから。
「優、どうしたの?」
「いきなりごめん。俺さぁ、本当はこんな仕事してたくない。普通に幸せになりたい。」
「そっか・・」
「俺あんまり人の優しさとか触れたことないから、家来ていいって言ってくれてすごくうれしかった。お茶だしてくれたりとかなんか心が暖まった。かなみが優しいんだもん。俺はこういう幸せが欲しかったんだって気付いたんだ、そしたら涙出てきた。」
優はまだ泣いていた。
最初のコメントを投稿しよう!