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「でも私そんなんじゃないよ。はじめだけかもしれないし。」
「そんなことない。俺にはわかる。」
「とりあえず、落ちついて。今日なにがあったのか話してよ。てか頭落とさなきゃだよね?お風呂入りな。」
「寂しいから一緒にはいろ。」
「いやいや私もう入ったし。タオルここ置いとくからね。」
優が優しさに触れたことがないって言ってた意味はよくわからないけど。
逆に抱きしめたくなった。
会った初日に、こんな気持ちになったのは初めてで。
正直自分で自分が良くわからなかった。
嫌いじゃないけど、好きなのか
はわからない。
でも優が私を必要としてくれている気がして、ほっとけなかった。
お風呂から出てきた優が、ニコっと笑ってくれてほっとした。
その後優は今日あったことや、泣いていた理由を教えてくれた。
お店の先輩とお客さんの取り合いみたいな喧嘩をしたらしい。
優はなにも言っていないのに。
先輩が喧嘩をふっかけてきて、立場上、謝っていたけど納得がいかなかった。
一旦は忘れたけど、お酒も飲んでいたから営業後に優がキレてしまった。
家に着いた頃には酔いも覚めていたから、酔って自分がキレたことが嫌になり。
先輩に言いがかりされたことも嫌になった。
そのうえ4人部屋の寮でその先輩と同じ部屋だから、帰れなくなって家に来た。
そう話してくれた。
「嫌なことあったのも理由の一つだけど、かなみに会いたかったのが一番の理由だよ。」
最後にそう言った。
「でたでた、そういうのいいよ。」
私はそういいながらも、うれしかった。
その日は二人で同じ布団で寝た。
優は何もしてこなかった。
かっこよくてホストもやってるのに、チャラくないんだなって思った。
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